146 雪解川曲りて速し大平野 森本哲雄 1
「大平野」ではなく、
雪解川曲がりて速き越後かな
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149 青菜摘み夕げのおかずにそっと出し りぱりこ 0
「そっと出し」が蛇足もいいところ。
夕飯の一品とせん青菜摘む
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155 芽吹き初む寺に甘茶の香り立つ 松の 4
上五にしっかり切れを入れて、
木々の芽や寺に甘茶の香り立つ
146 雪解川曲りて速し大平野 森本哲雄 1
「大平野」ではなく、
雪解川曲がりて速き越後かな
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149 青菜摘み夕げのおかずにそっと出し りぱりこ 0
「そっと出し」が蛇足もいいところ。
夕飯の一品とせん青菜摘む
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155 芽吹き初む寺に甘茶の香り立つ 松の 4
上五にしっかり切れを入れて、
木々の芽や寺に甘茶の香り立つ
135 さばかれし肌はくれない黒鮪 能登航 1
「肌」ではなく「身」では?「くれない」があるので「黒」は使わないほうがいい。
捌かれて身はまくれなゐ本鮪
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143 逝く春をじゆわつと揚げて鰺フライ みづほ 0
「逝く春」を「揚げる」、この工夫は面白い。
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145 彼岸会や善男善女の眠きごと 喜太郎 1
これもちょっと面白い。
眠たげに善男善女お彼岸会
128 切通しつかずはなれず初蝶と 岡田 絮 1
語順?
初蝶とつかずはなれず切通し
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130 鶯に口笛返し競ひ合ふ 健作 2
もっとすっきり詠めそう、
口笛で初鶯と競ひ合ふ
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134 躙り入る離れ茶室や梅の影 いつせ 2
「梅の影」がおかしな季語?
佐保姫が離れの茶室に躙り入る
124 佐保姫のふつと消えゆく暖簾かな みづほ 0
風のような「佐保姫」
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126 遺されし裁縫箱の針まつる 風子 2
ちょっと面白い。心根が感じられるような一句。
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127 梅蕾の真澄の空にほぐれたり 山彦 1
助詞の使い方?
梅の蕾真澄の空にほぐれたり
120 初山河の地響きに猫逃げ惑ふ 冬菊 0
能登地震と前書きがなければ通用しない。
初山河地震に猫が逃げ惑ふ
門松や地震に猫が逃げ惑ふ
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121 冬濤や遥かに浮かぶ白き富士 八郎 0
風景を切り取っただけ、「写生」のつまらなさ。
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123 冬の灯はきららきららとささやける えいこ 4
「ささやける」が工夫でしょうか、それが嫌だという人もいる。
117 欠席と出し段飾りに精を出す 英華 0
意味不明です。
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118 控室みなそれぞれの春を待つ 立野音思 1
何の控室?ちょっと舌足らず。「それぞれに春を待つ」が面白いだけに惜しい。
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119 手が写る事を危惧する遅日かな いきか 0
何に写るのか、意味が伝わらなければ点が入らない。
113 跳ね上げし泥は背なまで子等の春 つかさ 5
もう少し子どもたちの様子が見えるといい。
春の泥背まで跳ね上げ鬼ごっこ
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115 春風や今年は君に会ひたいな 立野音思 0
どんな君なのか?とらえどころのない一句。
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116 野火の香残の滓鼻孔に出勤す 里山ゆた 0
意味不明です。
109 冴返る水の刃が手に刺さる ウサウサ 4
「水の刃」、ちょっと安易な暗喩。
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110 ピコピコと尻尾ふりふり鶺鴒来し 和尚さん 0
秋の俳句は避けたほうがいいかもしれません。
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112 甘党の父は棟梁桜餅 まさよ 3
「甘党」と置いて、さらに「桜餅」では俳句の世界があまりにも狭い。
甘党の父は棟梁鳥雲に
104 花辛夷風をひかりへ変へてゆく 光雲 4
「風光る」という季語をほぐして季重なりを避けている。
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105 海女からの白い炎や磯焚き火 信信 0
これだと海女が燃えていることになりそう。
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107 青饅や二日続きの酒のあて 保寿美 0
上五は切らないほうがいい。
青饅を二日続きや酒のあて
94 医師に問ふたった一言春の雨 保寿美 3
何を問うたのか?そこが肝心。
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96 海苔の香に母のおむすび思い出す なつ子 0
「海苔の香や」と上五を強く切るところ。句はやや陳腐。
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101 歩みつつ剪定の目となりにけり 秀昭 5
「剪定」という季語は春先に果樹の枝を切ること、見ていると適当に切っている感じですが。句の様子は真剣勝負。
87 梅三分過疎の村の火の見櫓 気儘 1
88 舟番所跡喫茶店春之海 燈穂 0
述語がないので句が扁平。
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92 末つ子の一人あやとり春の雨 風子 2
「末つ子は一人あやとり春の雨」がいい。
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93 夫の座を空けて勧める春炬燵 柚子 0
誰が誰に勧めているのか?ちょっとあいまい。
81 椿落つ意思ある如く上向きに 鋭次 2
上五「落椿」がいい。
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82 表札に猫の名前やあたたかし 百合 8
本当にありそうな表札。
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84 呑み鉄や窓辺のどかな滋賀の湖 たかし 0
六角精児の気分。
76 垣根這う三本の茎はこべ草 しげ木し 0
「垣根を這う」字余りになっても助詞はしっかりと。
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77 鳥翔ちし硬き枝音戻り寒 秀昭 0
「鳥翔ちて」でしょうか?
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78 漬物のいろ濃くなりて二月尽 能登航 1
何の漬物か?
二月尽漬菜の色の濃くなりて
茎漬の色の濃くなる二月かな
「二月」という季語が強いので季重なりは気になりません。
70 懐にしがらみ抱いて年迎ふ 幹子 1
しがらみの三つ四つ五つ年迎ふ
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73 かと言つて不幸ではなし春愁 荒 一葉 10
台詞を切り取ったような一句。毎回、うまい俳句をつくるひと。
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75 一匙の砂糖のひかり二月尽 花埜 2
「砂糖に光」でしょうか?
62 ママレードぐつぐつぐつと春夕焼 せつこ 0
季語「春昼」がいい。
春昼のぐつぐつぐつとママレード
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64 ものの芽の一つひとつの勢ひかな あらた 2
ちょっと当たり前。
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66 夕東風や運河に軋む舫ひ船 野の花 5
風の季語ですと理屈の俳句になる。
舫ひ舟運河に軋む余寒かな
56 オリーブと舳先にポパイ春夕焼 素秋 0
ちょっと時代遅れ。
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60 今しがた別れし人がかぎろへる 和美 3
心の揺らぎを感じさせます。
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61 あかんべえ桶で舌出す蜆かな ヨシ 2
小澤實のように詠んでみたい。「浅蜊の舌別の浅蜊の舌にさはり 小澤實」
52 鉛筆画描いては消して目借時 岡田 絮 5
何を描いたのかそっちの方が大切。
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54 いま少し風よ煽れよお山焼 ひろし 0
火の手が上がらない山焼。
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55 瀬の音に急かされ芽吹く猫柳 卯月 5
語順?
猫柳芽吹く瀬音に急かされて
46 清少納言愛ずや花より花の兄 素秋 0
花より男?ということか、やや分かりにくい。
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49 吾と同じ春服妣の箪笥にも 蓉子 0
「妣(はは)」は亡くなられてお母さん。
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51 日向ぼこ数多ど忘れさへ忘れ 野夫 0
もっと簡潔に、
忘れたることさへ忘れ日向ぼこ
42 春風にスカート煽られ女学生 まさよ 0
季語が「春風」では俳句の世界が狭い。
野遊や風にスカート煽られて
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43 日向ぼこ無口な人と並びゐて 帆里 4
「並びゐて」が重い。
金輪際無口な人と日向ぼこ
大げさに詠むことも大切。
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45 断捨離を昼夜続けて春隣 李萌 0
「昼夜続けて」が嘘っぽい。
36 書けた字の書けなくなりて行火抱く あらた 1
年を取って書けなくなったのでしょうか?ちょっとわかりにくい。
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38 備長炭叩く店先寒戻る 郁文 4
何の店先か?
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39 片畝に残る雪あり葱畑 岩魚 6
「片畝」が聞きなれない言葉、どなたかご教示を。