98 遠富士を先づ拝みたる初詣 あつこ 4
季語をもう少し離す。
遠富士を先づ拝みたり初明り
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103 年の瀬や逆さ箒を隅に立て りぱりこ 0
時代錯誤?
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104 機上では屠蘇ふるまはれ帰国せり 三男 0
もっとすっきり、
帰国する機上で屠蘇をいただきぬ
98 遠富士を先づ拝みたる初詣 あつこ 4
季語をもう少し離す。
遠富士を先づ拝みたり初明り
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103 年の瀬や逆さ箒を隅に立て りぱりこ 0
時代錯誤?
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104 機上では屠蘇ふるまはれ帰国せり 三男 0
もっとすっきり、
帰国する機上で屠蘇をいただきぬ
85 秋深む近頃涙もろくなり 鈴木清 1
ただの報告。
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88 ちりめんの袋縫い初め句帳入れ ウサウサ 1
いかにすっきりと読むか?
句帳を入れる袋を縫ひ始め
俳句帖入れる袋を縫ひ始め
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93 編みかけのセーター未完のままの恋 荒一葉 2
「未完のままに恋」がいい。やや時代錯誤。
81 銀杏黄葉空を残して散りにけり 松の 2
ちょっとわかりにくい。
真つ青な空を残して銀杏散る
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82 雪の下呂湯けむり招く足湯かな うらら 1
上五がだめ。
木枯が湯けむり飛ばす足湯かな
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83 風花やとどまることの許されず 風子 2
生活感のある季語を使って、菖蒲あやのように詠む「香水をひとふりくよくよしてをれず」。
玉子酒とどまることの許されず
74 戦争の続く地球の聖夜かな せつこ 0
常識を詠んでもつまらない。
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75 新妻の脚崩しゐる炬燵かな 新月 3
普通でいい。
新妻の足に触れゐる炬燵かな
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79 車窓雪中国語止み訛り聞ゆ 山女 0
意味不明、読み手に伝わらなければ点は入らない。
69 ストーブにぬくめば人は蛸の如 花埜 0
上五「ストーブや」と強く切る。
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71 日だまりで猫しなやかにストレッチ かずえ 1
季語を入れる。
冬日和猫しなやかにストレッチ
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73 年末に香るカレーの日のありて 花埜 1
ただごとです。
65 時雨るるも又良し出会う人も良し 英華 0
対句を駆使していますが不発。
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67 待ち時間長き二診の小春かな わさこ 0
ただごとです。
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68 枝にかけ片手袋の待ちぼうけ 黄菜子 4
「待ちぼうけ」が蛇足。焦点を絞る。
手袋の片方だけが枝にあり
60 夜咄の弾むや手まり寿司あまた ふみと 1
「弾む」と季語を働かせている。季語は王様、働かせてはだめ。季語に触らない呼吸を。
夜咄や色とりどりに寿司あまた
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61 薔薇窓の冬暖かや結婚す 野の花 1
ごちゃごちゃ。
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63 鉢植えが庭に倒れる君は風邪 しげ木し 2
焦点が定まらない。
56 大観音背のやさしき日向ぼこ とおる 1
「やさしき」で句が分かりにくくなります。
大仏のうしろに回り日向ぼこ
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58 寒鴉カンカンカンとトタン屋根 ハセオ 0
オノマトペ?「ばりばりばりと」がいい。
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59 子にマフラーふた重に巻いて送り出し 豊司 2
「子に」が不要、この部分は想像させる。
マフラーをふた重に巻いて送り出す
51 スリッパにじやれては猫の日向ぼこ 冬菊 1
「じやれてや猫の日向ぼこ」がいい。
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52 冬ざれや遠吠えの果て鈍色に 米山誠 0
意味不明。
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54 冬薔薇もカクカクカクと揺れている かりん 0
オノマトペがおかしい。
46 気働き叶わぬ四肢や冬籠り 里山ゆた 0
意味不明。
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48 すれ違ふことも難義や雪の道 みづほ 1
やや常識。
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50 赤信号続く向こうに冬夕焼け 円由 2
「冬夕焼」、おくりがなは不要、句はつまらない。
41 新旧の手帳見比べ去年今年 梗舟 4
もっと軽く、
新旧の手帳を並べ去年今年
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42 頓着のあらかたは些事葛湯吹く 荒一葉 8
箴言めいた一句、やや理屈。
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45 ストーブに自慢話のひとつでも 凡愚痴歌 4
ストーブに話しかけるのか、ちょっとわかりにくい。
38 お台場のビルの狭間に雪の富士 まさよ 2
ただごとです。
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39 湯冷めしてからの場末の急ぎ足 山水 0
飲み屋にでも行くのか、ちょっとわかりにくい。
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40 切株に尻を据ゑたる焚火かな たかし 2
虚子の句が思い浮びます。「磐石の尻を据ゑたる冬籠」
31 生きるとはごみを生むこと玉子酒 喜太郎 1
季語がよくない。
生きるとはごみを生むこと寝正月
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32 ふらついて脚立の上や年の暮 凡士 5
雰囲気のある一句、年よりの冷や水。
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37 崖氷柱眺め猿らの長湯かな 小林土璃 1
季語である「崖氷柱」に「眺め」と働きかけない工夫を。
のんびりと湯につかる猿崖氷柱
28 神戸港除夜の汽笛で明けにけり 癒香 3
「神戸港」という固有名詞が効果的。
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29 薬喰皺腹擦る濁世かな 里山ゆた 0
意味不明。
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30 おせち重ひらけば猫も首伸ばす バード 1
伊勢海老でも狙っているのか?
21 木枯しや駅へと人を送りをり 松の 0
すっきり詠むには、
木枯の駅へと人を送りけり
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22 木星におやすみなさい年の夜 ひろ志 0
意味不明。
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26 粕汁や雲の吹き飛ぶ日本海 たかし 3
勢いのある俳句。
16 青空に真つ白な雲冬木の芽 百合 1
きれいな俳句ですが、内容は希薄。
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17 念願の戸建てに転居掘炬燵 翔風 1
ただの報告。
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19 出れば降るにくき時雨の入れば止む しげ木し 0
「にくき」がだめ。
出れば降り入れば降り止む時雨かな
12 初稽古冷たき床にご挨拶 なつ子 1
「冷たき床でご挨拶」が普通、句はただごと。
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13 食べて寝て2匹の猫の去年今年 幹子 1
当たり前。
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14 篝火や氷柱はほてり身をやつす 大越恵子 2
氷柱が篝火に溶けるということでしょうか。持って回った言い方。内容はつまらない。
7 風音を閉じ込め氷結びけり せつこ 3
これもいい俳句。今回は初めの方にいい俳句が並びました。
風音を閉ぢ込めてゐる氷柱かな
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8 冬木立まがふことなき素つ裸 凡愚痴歌 1
ちょっと当たり前。
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10 それぞれにスマホに耽る切炬燵 三太 0
切字「かな」を使う。
それぞれのスマホに耽る炬燵かな
4 摩周湖の黙深うせる狭霧かな しんい 2
摩周湖の「霧」ではあまりにもお誂え、では季語をどうするか?そこを考えるのが俳句の醍醐味でもあります。
摩周湖の黙深うして鹿の声
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5 福助のおじぎのままに日向ぼこ 小林土璃 8
最高点、当を得た直喩、いい俳句です。
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6 硝子戸に息かけ書く字漱石忌 あつこ 3
この句会ではあまり出ない忌日の俳句、雰囲気があります。
硝子戸のくもりに字を書く漱石忌
1 外套や父の俤まざまざと 冬菊 7
「外套」という季語がとてもいい。雰囲気のある一句。
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2 初霜や歯の抜けた猫膝に来て ねこ 0
0点でしたが、この季語もいい。
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3 山眠る里を駆けるや郵便車 野の花 5
「山眠る」と「里を駆ける」の「る」の繰り返しが煩わしい。
山眠る里を駆けてや郵便車