31 百歳の命やしなへ猪(しし)の肉 みづほ 4
ちょっとしたユーモア。
——-
32 秋風や鏡に映す今朝の顔 黄菜子 0
ちょっと面白い、もっといい季語があるはず、考えてみてください。
——-
33 今は亡き星の光も星月夜 小林土璃 2
「星」の文字が二つ、ややうるさい。
今は亡き星の光も風の盆
31 百歳の命やしなへ猪(しし)の肉 みづほ 4
ちょっとしたユーモア。
——-
32 秋風や鏡に映す今朝の顔 黄菜子 0
ちょっと面白い、もっといい季語があるはず、考えてみてください。
——-
33 今は亡き星の光も星月夜 小林土璃 2
「星」の文字が二つ、ややうるさい。
今は亡き星の光も風の盆
28 秋ともし燗は人肌ひとり酌む いつせ 2
「温め酒」という秋の季語があって季重なりの恨みが残る。
——-
29 錆付きし蔵の扉や雁渡 六狛 3
「雁渡」風のこと、「雁の声」のほうがいい。
——-
30 軽トラにお役御免の案山子かな うらら 4
軽いタッチの一句。
25 夫のこえ遠くに聞こゆ紫蘇の花 花埜 1
季語を考えれば面白くなる。
秋澄むや遠く聞こゆる夫の声
——-
26 新蕎麦や黙して啜る連れの顔 杉山駄芭 1
「連れの顔」がどうなのか?そこが肝心。
——-
27 先送りここらが限度秋の風 円由 1
意味不明。
19 硝子戸にベニヤ打ちつく野分前 ひろし 0
下五「野分かな」でいい。
——-
20 秋出水SNSが救ふ命 哲雄 0
ただのニュース。
——-
21 照るか降るか不器用な奴が行く 朝竹 1
意味不明。
13 行合いの空呼ぶ秋の雲深し 豊司 0
「雲深し」が分かりにくい。どんよりとした空、ということか?
——-
15 秋晴れや傘立てに杖二本あり 六狛 3
季語に工夫を。
傘立てに杖二本あり盆の寺
——-
16 鵙猛る高騰したるペットの値 いつせ 1
ただごとです。
8 鯊釣りや眠き子のいる船溜り 喜太郎 1
「船溜り」が不要。
その中に眠き子もゐて鯊を釣る
——-
9 まほろばのただ懐かしき秋の山 村上白蓮 1
漠然としてとらえどころがない。
——-
12 赤のまま国民的なおままごと 凡愚痴歌 0
ただの説明。
4 突堤にしぶく白波帰燕とぶ しんい 3
ちょっと推敲すれば、
突堤に白波しぶく帰燕かな
——-
5 山の音耳そばだてし宿の秋 北天 0
助詞を入れる。
山音に耳をそばだて宿の秋
——-
6 寝たきりの母と語れる夜長かな 百合 7
しみじみとした夜長。雰囲気があります。
1 名月や雲に隠れて乙なもの 杉山駄芭 0
上五「名月は」がいい。
——-
2 露の世へ窓を閉ざして銀閣寺 みづほ 3
「銀閣寺」が新鮮。
——-
3 新酒ぞよ幽明へだつ友と酌む 与志魚 3
「幽冥へだつ」がややこしい表現、普通でいい。
新走かの世の友と飲み交はす
今回、選句していない人は6人でした。
選句しない人の作品は選句者名を含めて抹消いたしました。抹消した句の中にはいい句もあって残念です。
トップは14点。
新涼や爪切る音も小気味良く 鈴木清
木の実落つひとり遊びの上手な子 黄菜子
「ひとり遊びの上手な子」の「上手」がまったく無駄な言葉。どんな描写がいいのか考えてみてください。
ほかによかったのは
ウサウサさん みづほさん 百合さん 英華さん 鋭次さん 幹子さん 荒一葉さん 小林土璃さん 新月さん 燈穂さん 凡士さん 六狛さん 翔風さん
選句結果は上の「選句結果」をクリックしてください。
感想はあとでアップします。間違いなどは「お問合せ」からご連絡ください。
171 天の川流れ落ちたか上高地 梗舟 1
普通に「流れ落ちてや上高地」でいい。
——-
182 秋風や木々に言の葉あるごとく みづほ 8
メルヘン風の一句。
——-
184 チェンソーを止めて俄に法師蝉 風子 2
「止めば俄かや法師蝉」がいい。やや理屈。
——-
186 水澄むや身近に在りて遠き人 えいこ 4
夫婦のことでしょうか?雰囲気のある一句。
163 台風に追われるように髪洗う 幹子 0
意味不明。
——-
165 緑陰を出て参拝の列に入る さっちん 2
ただごとです。
——-
168 人影もなき散歩道秋の声 和美 0
あっさりとした一句、俳句はこれくらいでいい。
149 待ちわびた夕立知らす土の匂ひ りぱりこ 1
上五に「夕立や」と置いて句ができないか?その思案が大切。
夕立や土の香強き風が吹く
——-
160 涸井戸の涸れしままなる原爆忌 ひろし 3
中七「涸れしままなり」と軽い切れを入れる。句は理屈が見え隠れする。
——-
162 秋暑し柩に入れる杖と靴 わさこ 1
季語に工夫を。
秋声や柩に入れる杖と靴
137 桐一葉高きところに風が有り あけび 2
下五、流してみたい。
桐一葉高きところに風有りて
——-
140 銀色の風渦巻きて芒原 松の 0
下五「芒かな」としたいところ。
しろがねに風渦巻ける芒かな
——-
147 一つ知り二つ忘れて秋風鈴 トンシ 8
とぼけたあじわい。「二つ忘れて」はやや常套だから「三つ忘れて」くらいがいい。
一つ知り三つ忘れて秋の風
119 譲られし枕草子の紙魚の跡 英華 2
ただの報告。
——-
127 ただいまの言える母いるラムネかな かりん 1
もっといい季語はないか?
ただいまの言へる母ゐて栗ごはん
——-
130 無聊とは淋しさに似て夜の秋 与志魚 6
雰囲気のある一句。
115 カウンターにサングラス置きチェックイン たかし 1
季語をうまく操った一句。
——-
116 静脈を褒められゐて鰯雲 ゐるす 1
ちょっと奇怪な感じ。
——-
117 半袖を振り返らせり虫の声 三男 0
意味不明
111 文言は準備オーケー流れ星 二石 0
ちょっと理屈。
——-
112 カレンダー予定溢れて八月尽 散歩王子 0
字余りでも上五は「カレンダーに」とするところ、助詞の省略は命取りになる。
——-
114 稲雀黒く一陣の風となり 松の 1
もっとすっきり、
一陣の風となりてや稲雀
102 透明な翅もつ蝉の死骸かな 矢野敬和 0
ちょっと当たり前。
——-
103 秋涼し旅の終わりの駅ピアノ 梗舟 3
旅に関わるような季語がいい。
鯖雲や旅の終わりの駅ピアノ
——-
110 八月や生きているかと便り来る 杉山駄芭 2
20番の句と同じ発想。
94 口笛はいつも遠景桐一葉 荒一葉 2
意味不明です。
——-
98 透百合あかねの空と色ひとつ しんい 1
オレンジ色の百合でしょうか?説明で終っている。
——-
101 恒例の夫の出番かぼちゃ煮る なつ子 0
「恒例の夫の出番」があいまい、ここを具体的に。
89 夏休み末日も行くアルバイト さっちん 0
ただの報告。
——-
90 コンビニにゐるトラクター九月かな 北原八重 1
ちょっと面白い。語順?
コンビニにトラクターゐる九月かな
——-
91 秋めくや大歳時記を拾ひ読み せつこ 0
季語に工夫を。
長き夜や大歳時記を拾ひ読み
身にしむや大歳時記を拾ひ読み
83 嘴を開ける炎暑の鴉かな 矢野敬和 1
「開けて」がいい。
——-
85 震災の瓦礫そのまま夏果つる 惠啓 2
力の抜けた一句。俳句はこれでいい。
——-
87 悔ひ止まず火のごとけふの夕焼雲 立野音思 2
「悔ひ止まず」があいまい、ここを具体的にしないと「もやもや俳句」。