34 宙睨み口あんぐりと初秋の湯 バード 0
もっと単純でいい。
秋空をぼおおと眺め露天風呂
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35 生牡蠣の白き柔肌ぷるんつる 癒香 1
常識を詠んでもつまらない。
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36 萩刈りて終りしものの何ならむ 与志魚 0
漠然としてとらえどころがない。

34 宙睨み口あんぐりと初秋の湯 バード 0
もっと単純でいい。
秋空をぼおおと眺め露天風呂
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35 生牡蠣の白き柔肌ぷるんつる 癒香 1
常識を詠んでもつまらない。
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36 萩刈りて終りしものの何ならむ 与志魚 0
漠然としてとらえどころがない。
29 来し方を語り酌み合ふ夜長かな 荒一葉 2
「来し方を語り」、これが陳腐の極み。
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31 小鳥来て子ら来て今日の夕餉かな ウサウサ 5
「小鳥来て」「子ら来て」、これが対句、リズムが生まれます。内容は平凡。
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33 小鳥来る小さき岬の青灯台 野の花 1
「小さき岬の」が安易な修飾。
小鳥来る小笠原村の灯台に
25 錦秋に彩る嵯峨野大覚寺 光雲 0
旅行ガイドです。
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26 停車駅ごとに色づく紅葉かな えいこ 3
少しずつ標高が高くなる。
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27 また増えし登山バッジや夏の果て かいこ 1
語順?
夏逝くや登山バッジがまた増えて
21 風止みて何か寂しき芒かな 杉山駄芭 2
「寂しき芒」、これが常識。
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22 田舎からかぼちゃ届くや種ばかり 向田敏 0
下五の置き方がちょっと面白い。
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23 大阿蘇や何がなんでも天高く みづほ 1
「何がなんでも」が面白いフレーズ、俳句を作ってやろうという意識が見えます。
18 月光を賜ひ白白街灯り 彩香 0
意味不明。
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19 色付いた柿そのままや過疎の村 米山誠 0
よくあるパターン。「山里や採られぬままに柿たわわ 岡野房子」「百採れど百残りけり冬の柿 岩見功」
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20 冬薔薇もうすれ違ふだけの人 荒一葉 4
上五、「冬薔薇や」の方がいい。
14 千年の老杉香る神の留守 新月 4
「老」が不要。季語がいい。
千年の杉が香るや神の留守
神の留守千年杉を香らせて
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16 射的場の灯をともしたる秋の暮 ひろし 1
「ともしたる」の「たる」がやや冗長。季語も一考。
射的場に電球ともる秋の雨
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17 秋の夜帆布リュックのほつれ糸 はとこ 2
「秋の夜」では大人しい。
冷まじや帆布リュックの糸ほつれ
8 水甕に潜んでいたり月の影 デラシネ 6
高点句でしたが内容は単純。
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11 コスモス揺るる何事もなき如く トンシ 0
「何事もなき如く」これが何にでもつく、つまりただごと。
何ごともなきが如くに鵙が鳴く
何ごともなきが如くに天高し
何ごともなきが如くに威銃
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12 鐘楼門くぐる石段紅葉谷 わさこ 2
日本語になっていない。俳句の基本は正しい日本語。助詞をおろそかにしない。
紅葉の鐘楼門をくぐりけり
5 衣被酒は二合と妻の声 健作 3
「妻」がなくても「妻」の存在を感じさせるように、
衣被酒は二合と決められて
長き夜や酒は二合と決められて
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6 「赤い靴」聴いてしばしの愁思かな 岡田絮 1
「愁思」ではなく「秋思」。
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7 金色に尾花染むるや夕落暉 惠啓 4
「金色に尾花」、これがやや陳腐。
しろがねのやがてこんじき夕尾花
1 秋の田や穂波の音は消え去りて 癒香 2
季語が「秋の田」ではあまりにも正直。
秋澄むや穂波の音は消え去りて
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3 秋日さす和室の隅や猫鎮座 山女 1
ただごとです。
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4 柿食へば夏の暑さも遠くなり 花埜 0
「夏の暑さも遠くなり」、これを季題として使うのなら上五に季語は不要。
呑み鉄や夏の暑さも遠くなり
今回、選句していない人は7人でした。
選句しない人の作品は選句者名を含めて抹消しました。
トップは8点。
露の世の星を眺めて捨て案山子 みづほ
おとぎ話のような一句、季重なりはそんなに気になりません。
ほかによかったのは
ウサウサさん えいこさん たかしさん デラシネさん なつ子さん まさよさん 輝久さん 荒一葉さん 山水さん 秀昭さん 新月さん 杉山駄芭さん 土璃さん 百合さん 凡士さん 野夫さん 立野音思さん 惠啓さん
選句結果はメニューバーの「選句結果」をクリックしてください。
感想はあとでアップします。間違いなどは「お問合せ」からご連絡ください。
140 句が思ひつかぬでござる月見酒 ふみと 1
ただの愚痴。
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142 痩せ猫に咥えられてる鰯かな 新月 0
猫が加える鰯、サザエさんの世界。底が浅い。
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145 柿剥くや引き出しにまだ肥後守 あらた 1
季語?
うそ寒の引き出しにまだ肥後守
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153 敬老日靴ベラいらぬ靴を買ふ 柚子 2
「靴を買ひ」と連用形に、ここは下五を流す呼吸。句によっては終止形がいい場合もあります。
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157 天高しリハビリ杖の弾む音 健作 1
語順?
リハビリの杖が弾むや天高し
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163 銀杏の落ちる音する四畳半 かずえ 1
「四畳半」では音が聞こえてこない。
銀杏の落ちる落として板庇
132 夢二忌や黒猫やたら甘え来る 幹子 3
「夢二忌」と「黒猫」、見え見えの仕掛け。
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138 箪笥より中々出せぬ秋の服 花埜 0
暑さが続くので「中々出せぬ秋の服」、これが理屈。
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139 夕日中となめの蜻蛉ばかりなり しんい 0
「夕日中」が重い。
夕映えてとなめの蜻蛉ばかりなり
126 夕日背に影絵となりて飛ぶ蜻蛉 癒香 4
上五「夕映や」と強く切ってみたい。
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128 懸垂のあごだけ伸ばし秋高し 梗舟 5
5点も入っていますがよくわからない俳句、どなたか解説を。
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131 猫の尾をぴんと立たせた稲びかり たかし 2
稲妻を恐れて尾がぴんと立つ、これが理屈。
115 難儀やな足の爪切る夜長かな 凡士 1
「難義やな」が突っ込み過ぎ。
身を折りて足の爪切る夜長かな
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116 刈草の香りまといて秋夕焼 笑美 1
もっとあっさり、
刈草の香りの秋の夕焼かな
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124 ゆっくりと紙面をめくる敗戦日 朝竹 2
「紙面めくるや」がいい。
108 指さしてほらと云ふ間の流れ星 ヨシ 4
「ほらと云ふ間」がよくあるパターン。
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111 秋灯をわかち姉妹の読書かな 三太 4
安住敦の句が浮かんできます。「雁なくやひとつ机に兄いもと」
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112 取り払はれし田の字の建具暮れの秋 デラシネ 0
意味不明。
103 食って寝て部屋秋にしてひとりです 名負人 3
もう少しすっきりと、
食つて寝て一間六畳秋ひとり
——-
104 藤の実をときどき揺らす風の息 風子 0
藤の実が揺れた、というだけの句。「風の息」でごまかそうと思ってもだめ。
——-
106 秋風やあはくもの透くレジ袋 与志魚 2
「もの」を具体的に。
秋風や人参透けるレジ袋
100 鰯雲けふも妻問ふ「何たべたい」 風子 2
助詞を入れないと俳句が不安定になる。
鰯雲何食べたいと妻が問ふ
——
101 給食のにおい外まで秋晴るる 美登里 2
もう少しすっきり。
外までも給食匂ひ天高し
——
102 夕月夜つなぐ手と手の戻り道 流行 1
「つなぐ手と手の戻り道」、歌謡曲のように陳腐。
96 残菊や老いの母なす厚化粧 豊司 1
気色の悪い俳句、もっと前向きに。
——
98 ロープウェイ下りれば穂高初時雨 鋭次 0
ただの報告。
——
99 深草の少将通う夕月夜 いつせ 2
源氏物語をなぞっただけ。これでは本歌取りにもならない。
燈穂さんから以下の指摘がありました。失礼いたしました。(松)
小野小町(深草少将)の時代と紫式部・源氏物語の時代はかなり離れているので、「源氏物語」は無関係ではないでしょうか。なお、小野小町に通ったと言われる深草少将は室町時代の創作で実在しないと思われます。
93 山寺やかしいて登る秋日傘 あけび 3
普通の語順で、
秋日傘傾け登る山の寺
——
94 秋高し神社のポストまで歩く 八幡大蛇 1
「神社のポスト」がよくわからない。
——
95 参進の島田に留む赤とんぼ 彩香 2
結婚式か?あまりにも作りごとめいている。
85 過疎の村猪ばかり増えてゆき 哲雄 2
ただの報告。
——
86 名を問へばもってのほかと菊膾 大越恵子 1
「菊膾」の説明で終わっています。
——
89 不細工な梨不細工に剥かれけり 春生 8
対句を駆使した一句、ただし梨がまずそう、食べ物はおいしそうに詠むのがいい。