5 巴里祭爪先立ちて人さがす 秀昭 0
祭の季語なら何でもつきそう。
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6 二人して駆けこみ泳ぐ先の夕焼け 野夫 0
俳句の形を考える。
二人して駆け込み泳ぐ夕焼かな
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7 別世界入る如くに蚊帳めくる ヨシ 4
そんな感じもする蚊帳の中、ちょっと面白い。
5 巴里祭爪先立ちて人さがす 秀昭 0
祭の季語なら何でもつきそう。
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6 二人して駆けこみ泳ぐ先の夕焼け 野夫 0
俳句の形を考える。
二人して駆け込み泳ぐ夕焼かな
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7 別世界入る如くに蚊帳めくる ヨシ 4
そんな感じもする蚊帳の中、ちょっと面白い。
1 露涼し写す朝日の落ちそうで あけび 2
もっとすっきり、
その中に朝日を入れて露涼し
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3 猫の墓のうぜんかづらの花が散る 和美 1
肩の力の抜けた一句。
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4 遠蛙そうか今夜は母の家 デラシネ 5
つぶやきを掬い上げたような一句。
今回、選句していない人は3人でした。
選句しない人の作品は選句者名を含めて抹消しました。
トップは17点。
槍投の腕振り切るや雲の峰 喜太郎
ほかによかったのは
あつこさん あらたさん いつせさん えいこさん しげ木しさん たかしさん デラシネさん ひろしさん まさよさん ヨシさん 黄菜子さん 荒一葉さん 彩香さん 山水さん 新月さん 哲雄さん 百合さん 与志魚さん 立野音思さん 惠啓さん 翔風さん
選句結果はメニューバーの「選句結果」をクリックしてください。
感想はあとでアップします。間違いなどは「お問合せ」からご連絡ください。
135 青空にひっぱられゆくゴム風船 松の 0
普通なら「吸ひ込まれゆく」
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137 あぢさゐの青一色となりにけり 凡愚痴歌 2
どんなところか?舌足らず。
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138 妻とふと途切れる会話冷奴 燈穂 3
季語しだいでは面白い。
虹二重妻との会話途切れたる
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139 百名山登ってみたき蝸牛 光雲 4
「百名山」ではなく固有の名前を、語りかけるように。
富士山に登つてみたいか蝸牛
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149 夕風や運河をくだる花筏 野の花 0
上五に思いを置いてみたい。
淋しさや運河をくだる花筏
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151 水田に一人ぽつんと田植人 翔風 0
「水田に」ではだめ。
夕暮や一人ぽつんと田植人
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160 焼酎を買う日払いの銭持って 輝久 1
ちょっと面白い。
焼酎を買ふ日雇ひの銭鳴らし
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161 夏燕どの道行くも海へ抜け 黄菜子 8
「どの路地もみな海へ抜け」がいい。
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176 母逝くや耳に茶摘みの唄残し 輝久 6
もっとすっきり、
母逝きて茶摘みの唄を残しけり
125 彼の人の嘘の数々夜盗虫 燈穂 1
「彼の人に」と人に押し付けてはつまらない。
わがことの嘘の数々夜盗虫
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127 山滴る温し弁当おばんざい わさこ 0
ちぐはぐ。
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134 酒のあて旨き卯の花腐しかな ウサウサ 1
「卯の花腐し」ではむしろ不味い感じ。
120 来ぬ人を梅雨の蕎麦屋の手酌哉 瞳人 2
「来ぬ人を」の「を」がうまい。「来ぬ人を待ちわぶ」、「来ぬ人を気にする」、「来ぬ人を恨む」などいろいろ想像させる「を」である。
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121 梅雨晴間石の温みに猫眠る 英華 2
冬の季語が断然いい。
小春日や石の温みに猫眠る
石蕗の花石の温みに猫眠る
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124 鮎食ふや能登の粗塩こぼしつつ みづほ 10
「こぼしつつ」がいい。雰囲気のある一句。
112 夏草や子猫を飼えぬ歳となり バード 3
子猫を置いて死ねないということか?やや舌足らず。
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113 網笠のサックス吹くは侍か 米山誠 0
意味不明。
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114 悪友の年々欠くる蛍狩 健作 1
どんな季語でもそれらしくなる。つまり「悪友の年々欠くる」はただごと。
以下のような質問が届きました。
「「動詞を入れる工夫を」というコメントが見られます。俳句には動詞を入れた方が良い、という事でしょうが」
動詞ばかりでなく、形容詞、形容動詞の用言は俳句を生き生きと表現するうえで欠かせません。もちろん用言のない名句も多く作られています。しかし用言を用いない俳句は扁平になりやすいところがあります。「車座の芝生の昼餉花筵」などは名詞を並べただけという感じです。用言を用いることで句を生き生きとさせる、絶対ではありませんが、覚えておきたい事柄の一つです。(松)
108 オロナミンのブリキ看板麦の秋 荒一葉 2
動詞を入れる工夫を。
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109 源流を辿るツアーや夏帽子 風子 1
ただごとです。風子さんらしくない。
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110 待ちぼうけ佇む菖蒲止まぬ雨 紫耀子 0
焦点がさだまらない。
104 車座の芝生の昼餉花筵 惠啓 1
動詞の欲しい一句。
車座で芝生の昼餉蝶が舞ふ
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105 夏の霧まとふ二人のボートかな ようすけ 1
もっと単純でいい。「二人」が余計な味付け。
夏霧を動かしてゐるボートかな
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107 一人泣き兄人と二人棚の藤 信信 0
意味不明。
100 新幹線走り樹を這ふ蝸牛 哲雄 1
「新幹線」と「蝸牛」、あまりにも見え見えの仕掛け。
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101 雨上がり岬への徑ほととぎす 気儘 0
字余りになっても、「雨上がりの岬への徑」とするところ。内容は薄い。
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103 風を切り君へと首夏のフリスビー ひろし 0
普通に「初夏」でいい。言葉は分かりやすさが一番。
初夏や君へ風切るフリスビー
97 雉子鳴いて青葉の山を淋しくす 与志魚 0
雉の鳴き声を淋しさで捉えた、ちょっと面白い。
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98 夫婦とてかりそめの縁冷奴 たかし 7
達観したような一句。
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99 佐渡沖に浮雲一つ夏料理 百合 7
綺麗な一句。
92 花か実か問うて見たし棕櫚の花 春生 0
見るからに奇怪な棕櫚の花。
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94 ツアー日和雨の戸隠水芭蕉 山女 0
典型的な三段切れ、助詞いかに使うか、これが日本語の基本。
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95 散骨の海に無音の遠花火 山水 10
高点句ですが、句の内容は希薄、「散骨」という言葉に惑わされてはダメ。
83 北斎の波をプリントアロハシャツ たかし 1
「神奈川沖浪裏」、派手なアロハシャツ。
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87 可も不可もなく葱坊主そろひけり 秀昭 2
葱坊主に触れず。人間を読みたい。
可も不可もなき奴ばかり葱坊主
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89 病院に根づくマスクや立版古 小林土璃 2
「立版古」が唐突。
75 六月の青空ブーケ投げ上げて みづほ 2
うまい俳句ですが、「六月」という設定があまりにもお誂え。
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76 湯上りのほのかな匂ひ藍浴衣 あつこ 0
石鹸のコマーシャルのような一句、ちょっと底が浅い。
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80 海見えて走り出す子や冷し瓜 秀昭 6
季語がちぐはぐ。
かき氷海を見て子が走り出す
70 五月雨や貰い手のない猫二匹 バード 3
生活感のある季語を。
籐椅子に貰ひ手のない猫二匹
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71 梅雨寒や無頼気取りて無精髭 喜太郎 1
季語が安易。
焼酎や無頼気取りて無精髭
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73 海虹豆海に向きたる流人の碑 しんい 0
「海に向きたる流人の碑」、これが手あかのついた描写。
66 夏草に覗く石仏二つ三つ ひろ志 5
夏草のなかの石仏、よくあるパターン。
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67 アカペラの路上ライブや夏きざす 梗舟 3
場所を暗示したほうがいい。
アカペラの路上ライブを木下闇
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69 懸命に一命灯す♀蛍 庸晃 0
普通でいい。
懸命に一命灯す蛍かな
60 藍染の塩ふく法被三社祭 翔風 9
語順がおかしい?
藍染の法被塩ふく三社祭
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63 葉山より茅花流しは富嶽へと 八幡大蛇 1
普通の語順で、
葉山から富士へと茅花流しかな
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64 返信はfight一言さみだるる 朝竹 2
季語は「fight」に響き合うものを、
返信はファイトひとこと雲の峰
57 梅雨深しジャズのレコード繰り返し 右鉛 2
字余りになってもいいから動詞をしっかり入れる。
コルトレーンを繰り返し聞き梅雨深し
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58 旅先は十万奧土星涼し 柚子 1
やがて死の旅に出るということか、よく分からない一句。
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59 寺へ径山雀啄く阿弥陀仏 無有 0
もっと単純に、
山雀に頭つつかれ阿弥陀仏
51 白南風や少し錆浮く釘隠し いつせ 5
ちょっと洒落た一句。「少し」が効いていない、推敲を。
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52 風切りて水車のしぶき花菖蒲 松の 3
農作業の季語がいい。
豆植うや水車のしぶき浴びながら
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56 紫陽花や和装の母の雨支度 野夫 0
動詞の入った季語を。こういう俳句は動詞がとても大切。
あやめ咲き和装の母は雨支度