3句選句してください。番号だけでOKです。毎月5日、夜12時が選句締切です。 姓名の「姓」は不要です。「名」だけを記入してください。 投句していなければ選句はできません。



    *選句は半角数字でお願いします。


    1 人の背に母の背重ね草紅葉
    2 桂林の木を大移住金木犀
    3 埴輪集ふ上野の森の秋の暮
    4 老鹿の視線感じるティーショット
    5 おいと来た夫に朝刊そぞろ寒
    6 それぞれに似合う旅あり秋深し
    7 マロンケーキ母と息子へ運ばれて
    8 デイケアに向かう母の背秋の蝶
    9 秋収め棺の中かMRI
    10 石階の手触り温し秋の空
    11 温め酒畑仕事の一息に
    12 ファの鳴らぬ古きピアノの秋思かな
    13 錦秋や絵筆仲間の喧し
    14 色鳥や色を零して飛び去りぬ
    15 十三夜黒髪ほのと匂ひける
    16 夕暮れの茨戸に漕艇色鳥と
    17 秋はじめ漢字左右の一画目
    18 こち亀を十冊積んで炬燵守
    19 年金の暮らし納得古酒旨し
    20 つむじ風花野の花を巻き上げて
    21 息を吞む三段紅葉白馬村
    22 頬杖の父の洟水拭く娘
    23 大欠伸牙むく虎の小春かな
    24 雪吊や八十路手際の縄結び
    25 村ひとつ眠るダム湖の星月夜
    26 鰯雲だけキャンバスに描きあり
    27 生チョコの黒子(ほくろ)のように秋の海
    28 星月夜一等星はひとつなり
    29 女郎蜘蛛今朝も木の葉を解き落とす
    30 馬鈴薯のほつこり煮えてそぼろ餡
    31 栗の皮剥く妻の手や老い知らず
    32 秋のそら気もちよさげに飛ぶとんび
    33 森に入れば茸の視線ぞくりとす
    34 雨降りを見計らいつつ菜種蒔く
    35 選挙の日帰省する子に栗ご飯
    36 乱れ萩ちやんばらごつこは姫の役
    37 秋刀魚焼きむかし我が家は大所帯
    38 嫁ぐ子の白無垢眩し秋の空
    39 秋の夜絵本逆さも満ち足りる
    40 秋夕焼け曾孫に唄う子守歌
    41 新藁の匂いかぎたし鼻動く
    42 秋澄める斑鳩の里古寺巡礼
    43 秋めいてグーンと伸びし人の影
    44 無造作にバケツに放る秋桜
    45 鳥渡るおおぞらに羽根ゆるく漕ぎ
    46 ラグビーのパスが歓声引き連れて
    47 銀杏の実踏まれ弾ける匂いかな
    48 振り返り振り返り行く花野かな
    49 ドクターと別れの握手秋惜しむ
    50 辻立ちの先生ネットで知る夜長
    51 星月夜なんとにぎやかなる静寂(しじま)
    52 新米の炊きあがる音ここちよく
    53 人の波虫の音が鳴る京の海
    54 稲刈りて稲束しなる重さかな
    55 妹の汁物持たす秋の名残
    56 ハルモニとホルモン焼きし十三夜
    57 手のひらのこの実なんの実雁渡し
    58 一生涯日傘と無縁なりし母
    59 朝採りの栗は土鍋で踊りけり
    60 長き夜の文机に散る詩の礫
    61 秋惜しむ女同士の小旅行
    62 ひよつとこを脱げば婆様村祭
    63 秋風に紫苑揺らいで来し方へ
    64 無花果を喰らひ二つの罪背負ふ
    65 七五三きゃらきゃら漏れる着付けの間
    66 避難所はカレーの匂ひ秋の風
    67 銀杏は手間のかかりし馳走なり
    68 納骨の僧の寂声鰯雲
    69 秋燕を忘れたように燕飛ぶ
    70 そぞろ寒セーラー服のヘルメット
    71 炬燵出すまだ出さないの季節来る
    72 吾亦紅無口な父の愛でし花
    73 一徹の思い述べ合う夜長かな
    74 大糸瓜箱の底にてくすぶれり
    75 青空に真つ白な月紅葉山
    76 名月に飛ぶコウモリを指しにけり
    77 天井の高き生家や柿たわわ
    78 案の定雨となりけり紅葉狩
    79 ハーレーの音を連ねて秋日燦
    80 哀しびへ寄り添ふ能登の男郎花(おとこへし)
    81 まほろばの照葉嬉しきバスの旅
    82 投了す釣瓶落しの将棋盤
    83 新涼の野辺に連なる送電塔
    84 冬至の夕町中匂うカレーの香
    85 店閉める夕べはかなき十三夜
    86 古民家の板の間広くそぞろ寒
    87 秋の暮やあれは絶対UFOだ
    88 菊の露千代を祈りつ絞りけり
    89 芒野に似た大都市に憧れる
    90 清貧にあらず令和の麦の飯
    91 キッチンカー呼んで町内秋の宴
    92 地球儀で五分の旅や温め酒
    93 金の穂や案山子に一言お疲れ様
    94 両の手に甘藷を下げてポーズきめ
    95 アート展森の映像ビビッドに
    96 大歌手や腰低くして敬老会
    97 朝寒や餃子包みし小姐あり
    98 星流る八万年後はたれ視るや
    99 細やかな贅沢細身の初秋刀魚
    100 窓を拭く秋の高さに手を伸ばし
    101 ゆつくりともの噛む余生吊し柿
    102 菱の実を採るたらい舟傾けて
    103 ママゴトの跡か砂場に赤のまま
    104 聞くだけで分かる鳥種の秋の朝
    105 少年の尻で一拭き青リンゴ
    106 まず考へ仏器磨きて今年米
    107 病棟の窓に映るや青き月
    108 尺八の音の何処より曼珠沙華
    109 犀の背の滑りやすきよ秋の蠅
    110 林檎食む前の歯ぐらり笑止なる
    111 六〇三の天声人語小鳥来る
    112 柩から溢れんばかり菊の花
    113 秋風は肌にぶつかり逃げていく
    114 膝の上は吾輩の席柿熟るる
    115 切通し何処まで続く星月夜
    116 聞き役の枝豆のもう三皿目
    117 湯豆腐や正座崩せぬ初見合い
    118 弓ヶ浜海に溶け込む星月夜
    119 小春日の影にぎやかに雀どち
    120 さざ波の秋夕焼となつてゆく
    121 廃線路秋の空知を一直線
    122 三度めの遺影更新秋の薔薇
    123 大栗を噛んでも割れぬ我が秋思
    124 艶めける巨大太鼓や秋灯し
    125 知つた顔ずらり揃ひて村芝居
    126 露けしやかんぬき重き尼の寺
    127 放課後の独りドリブル鰯雲
    128 残る虫鳴けば淋しや鳴かねばなほ
    129 宇宙への一冊選ぶ夜長かな
    130 秋の暮染むれず散りぬ葉擦れかな
    131 朝風に洗ふ小豆やルビーめく
    132 赤い羽根選挙カーにもお辞儀して
    133 赤とんぼ汝が竹竿にホバリング
    134 萩枯れて風のうねりの枝のこる
    135 秋高し胎児の拳伸び伸びに
    136 草相撲三人抜きや米貰ふ
    137 でこぼこを確認しながら秋の夜
    138 秋日和鹿のよりくる厳島
    139 露の身や次々と句の浮かび来る
    140 晩秋の空気浅めの呼吸かな
    141 秋深し手に馴染みたる箸茶碗
    142 あそこからここまで公道栗拾う
    143 口紅の色変えてみる今朝の秋
    144 枝豆や今晩年の我と夫
    145 野仏や零余子は一袋百円
    146 祖母の知恵母の知恵継ぐ柿たわわ
    147 やや寒し一人暮らしの一日目
    148 ねんねこの子守子も居て紙芝居
    149 十二階の目線かなたに秋の雲
    150 雪の香と言ひて空見る加賀言葉
    151 小さき手小さき祈り七五三
    152 東雲の海を傾ぎて秋刀魚船
    153 天高し弓道場に弦の音
    154 お仕舞ひを美津子行きけり萩の花
    155 どこまでもリードの伸びる犬の秋
    156 大寺の甍の反りや暮の秋
    157 吊し柿頑な所作に手皺伸ぶ
    158 秋風を牙にそよがせ石のライオン
    159 松茸を見つめる二人道の駅
    160 星月夜懺悔の価値も無き星へ
    161 客船や次の進路を月にとり
    162 まな板に海の片鱗秋刀魚かな
    163 鶏頭の紅しんしんと深みゆく
    164 腕まくら猫と眺る昼の月
    165 火祭の手火燃え盛る童の背
    166 花野道黄泉路を辿りゐるのかも
    167 ハロウィンの仮面の裏側のっぺらぼう
    168 名優の訃に一献を秋深し
    169 暖かな夕日に紛る赤とんぼ
    170 木犀や法事近づく香りかな
    171 新豆腐見る間に箸に崩さるる
    172 どぶろくや合掌の夜は更けゆけり
    173 体育の日つまらぬ石に躓ひて
    174 離婚する子に告げられて霧の朝
    175 虫籠や先ずは葉っぱを敷き詰めて
    176 手の届くところに置かれ秋うちわ
    177 秋祭故郷の空に響く笛
    178 リフォームを終え秋水の音高く
    179 この月の月を眺める曼珠沙華
    180 秋ともし夕げ恋しき家路かな
    181 手のひらに落ちて来るかな冬夕焼け
    182 熟柿のごと都会は膨れ張りつめる
    183 うれひつつ山路辿るや敷紅葉
    184 狛犬に魔除けを頼む秋の山
    185 灯火近し老眼わずかに進みけり
    186 くるくると鬼の子風を友として
    187 実石榴や魔女のようなる欠伸して
    188 あと半年着て捨てるかと冬支度
    189 霧のふもと猫埋め来しとをみなかな
    190 路地裏に午前様の背夜鳴き蕎麦
    191 妻は羽後吾は越後や新酒酌む
    192 冷まじや捨て猫はまだ眼があかず
    193 空の端の戦火枯野に立ち尽くす
    194 真夜までも踊りの衆の下駄の音