105 グローブには汗と涙の丸い跡 ハセオ 0
根性俳句、やや陳腐。
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106 夕張の夕日零るるメロンかな 柚子 0
「夕張」を出さない呼吸。
刃を入れて夕日零るるメロンかな
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108 担々麺辛し薄暑の地下街 野の花 0
すっきりと詠む工夫を。
激辛の担々麺の薄暑かな
105 グローブには汗と涙の丸い跡 ハセオ 0
根性俳句、やや陳腐。
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106 夕張の夕日零るるメロンかな 柚子 0
「夕張」を出さない呼吸。
刃を入れて夕日零るるメロンかな
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108 担々麺辛し薄暑の地下街 野の花 0
すっきりと詠む工夫を。
激辛の担々麺の薄暑かな
99 電気代気になりながらこの暑さ ノルン 0
ちょっと通俗的。
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102 ふるさとにしがらみ多し凌霄花 燈穂 2
生活感のある季語を。
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103 無愛想無粋無作法蟇蛙 荒一葉 3
6月の「冷奴無事故無違反無位無冠 素秋」にかなわない。
83 悔い多き一日だつた髪洗ふ 和美 1
しみじみとした一句。
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88 ポマードの匂ひ生家の籐寝椅子 あらた 5
「生家」は無駄な言葉。
ポマードの匂ひ残るや籐寝椅子
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92 包丁を鋭く研いで夏を切る えいこ 5
「夏を切る」と言い切るのが暗喩。直喩は、
夏を切るごとくに包丁研ぎにけり
78 落ちてくる力士をかはす浴衣かな 哲雄 5
前にも言ったように、今回の哲雄さんの句はいい。
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79 砂山の砂の乾ける夏の果 しんい 0
やや当たり前。
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80 短夜の一喜一憂オリンピツク 李萌 0
ただの報告。
71 アロハ着て一筋縄ではいかぬやつ たかし 3
面白い、ちょっとしたユーモア。
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72 ふつふつと腸焼ける秋刀魚かな ウサウサ 2
当たり前。
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77 炎昼や重機の爪もよこたわり 散歩王子 4
面白いのですが、「爪も」の「も」が焦点をあいまいにします。
風死して重機の爪がよこたわる
66 ことごとく蝉の木となり森吠へる 苦茶 5
「森吠へる」までいう必要はない。
ことごとく蝉の樹木となりにけり
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67 空蝉の命の抜けた軽さかな りぱりこ 11
最高点ですが、あまりにも当たり前。
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68 砂時計夏をゆっくり減らしゆく 苦茶 5
工夫の一句です。
砂時計夏がさらさらこぼれゆく
62 いやいやと踊り落つるや噴水は 立野音思 0
擬人法、不発。
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64 朝焼に炸裂の声豆剣士 立野音思 3
「炸裂」まで誇張する必要はない。
朝焼へ気合響かせ豆剣士
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65 方程式一問解けて窓涼し あつこ 5
食べ物の季語がいい。「ソーダ水方程式を濡らしけり 小川軽舟」に倣って、
方程式一問解いてソーダ水
52 涼風の通りで猫が長くなる バード 1
「長くなる」よりも「伸びをする」の方が分かりいい。
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60 猛犬の震へ止まらぬ大花火 健作 1
理屈の俳句、語順?
大花火犬の震への止まらざる
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61 顕微鏡下のめだか孵化までの神秘 蓉子 0
ごちゃごちゃ?何が言いたいのか不明。
49 八月来たる鐘の音よ黙祷よ いつせ 1
「黙祷」まで言ったのでは台無し。
八月や沈黙の鐘響かせて
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50 的確な剪定の音や狩行逝く 野夫 1
意味の分からない追悼句?
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51 貧しくて送金できず夏電話 名負人 1
「夏」をつければ何でも季語になると思ったら大間違い。
40 藍染のワンピース着て夏の海 帆里 0
ただごとです。
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42 返信はスタンプひとつ雲の峰 まさよ 6
富士山五合目から来たようなハガキ。
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44 残る世は成行まかせ籐寝椅子 あらた 6
「籐寝椅子」でもおもしろいのですが、「籠枕」ならもっといい。
36 大声に勝りて響く蝉しぐれ うらら 0
何の大声か?俳句はそこが大切。
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37 水打つや散歩の犬にかかりけり 美登里 0
上五「打水が」でしょうか。切字二つがやや重い。
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39 擦り傷は子らの勲章夏休 ひろし 4
道徳のような一句、つまらない。
30 何よりの水の旨さよ夏マラソン ひろし 1
常識を詠んでもつまらない。
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34 人間の祖かとも思ふ海鞘を喰ふ 凡士 1
ちょっとどきっとする俳句。
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35 一枚の空をいただく青田かな たかし 10
高点句、大らかな俳句です。
25 病室の母に買うてや葛桜 小林土璃 1
スケッチ風な一句。
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26 お下がりは分け隔てなく地蔵盆 大越恵子 2
どのような「お下がり」か?気になるところです。
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28 路地深く来て出会ひたる白木槿 トンシ 0
中七「出会ひけり」と強く切る。季語も工夫を。
路地深く来て出会ひけり盆の僧
感想06
21 黴にほふ花袋漱石龍之介 荒一葉 3
「花袋」を入れたところが作者のこだわり。
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22 炎天の道ゆく犬の足の裏 冬菊 5
「炎天や」と上五を強く切る工夫を。
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24 新しき家族引き連れ帰省の子 ミム 6
「子」は要らない。
新しき家族を連れて帰省かな
新しき家族となりて帰省かな
18 満開の蓮の花揺る千の私語 帆里 1
意味不明です。
——
19 大石がりくへ名残りの天神祭り 瞳人 0
内蔵助が妻女を連れて「天神祭り」に入ったということか?ちょっとわかりにくいのですが、史実に基づいた俳句も面白い。有名なところでは蕪村の「野分」の俳句。
——
20 拾うても拾うても杉落葉かな 冬菊 1
面白い、我が家の墓所がまさにこのよう、掃除してもきりがありません。昔は焚きつけに利用した杉落葉も、今は邪魔になるだけ。
11 駄菓子屋の前に積まれしソーダ水 ノルン 1
「ソーダ水」を積んだらすぐに崩れてしまうのでは?
——
12 花火師の幕間毎に影躍る 二石 6
「幕間」が聞きなれない言葉、どなたか解説を。
——
17 猫の尾が種とばしたる鳳仙花 風子 6
切れを、
猫の尾が種をとばすや鳳仙花
7 別の顔牙むく富士の山開 翔風 1
「牙むく」を具体的に。
——
8 大仏と対峙するなり雲の峰 杉山駄芭 3
「対峙」が工夫できないか?
大仏と西と東や雲の峰
——
9 少年に負けじと草矢米寿翁 惠啓 1
語順?
少年に負けじ米寿の草矢かな
4 瓜冷やす湖に潜むや首長竜 野夫 0
瓜が首長竜のようだというのか?ちょっと分かりにくい。
——
5 よく笑ふ娘のやうな芋の露 風子 4
中七に軽い「切れ」を入れる呼吸。
よく笑ふ娘のごとし芋の露
——
6 浴衣着ていつもの席や砂被り 哲雄 1
面白い。哲雄さんの今月、二句ともいい。
1 伏流の喃語となりし水芭蕉 とおる 1
「喃語」がいかにも硬い。
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2 余生もう振り返るまい蝸牛 デラシネ 7
季語がよく効いています。
——
3 今宵またたちまち開く月見草 岩魚 1
ちょっと当たり前。
今回、選句していない人は7人でした。
選句しない人の作品は選句者名を含めて抹消いたしました。選句しない人の句に高点句はありませんでした。選句しない人はいい句を作らない、作れない、ということかもしれません。
トップはりぱりこさん11点
空蝉の命の抜けた軽さかな りぱりこ
ちょっと当たり前。
ほかによかったのは
あつこさん あらたさん えいこさん たかしさん デラシネさん なつ子さん ひろしさん まさよさん ミムさん ヨシさん りぱりこさん 英華さん 幹子さん 苦茶さん 健作さん 荒一葉さん 小林土璃さん 大越恵子さん 哲雄さん 冬菊さん 二石さん 風子さん 和美さん
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