感想29
137 青空の深みに咲きて桐の花 松の 4
「青空の深み」と「桐の花」がマッチしていない。
青空の深きに一つ鷺白き
——-
138 黴の香の本に少年胸焦がす 孫悟空 0
語順?
黴の香や少年本に胸焦がす
——-
139 鄙の子は薄化粧なり姫女苑 風子 0
「薄化粧」がよくわかりません。
——-
140 渓流に水のふくらみ苔の花 郁文 2
「渓流」だけで水の様子がわかります。「水のふくらみ」はダメ押し。
——-
141 靴を手に渡る回廊時鳥 いつせ 2
「回廊」、どこの?ややあいまい。
——-
151 若葉風おにぎり二個のお昼時 帆里 1
語順?
握り飯二つの昼餉若葉風(風がうるさいので)
握り飯二つの昼餉若楓
——-
154 さわさわと木洩れ日揺らす新樹風 蓮利利斗 1
「新樹風」の「風」がうるさい。
さはさはと木洩れ日揺るる新樹かな
——-
157 浮き玉の浮かぶ運河の薄暑かな こゆき 1
語順?
浮き玉の運河に浮かぶ薄暑かな
——-
160 目薬にまばたき五回余花の宿 ゆぴー 0
「五回」がトリビア。
目薬をさしてまばたく寒さかな
——-
164 薫風や阿蘇のみどりに牛の声 宮内和彦 2
「みどりに」がちょっとしつこい。
薫風や阿蘇はいづこも牛の声
——-
167 身をゆだね割烹旅館藤の椅子 松の 0
もう少しわかりやすく詠めそうです。
ほろ酔うて身をゆだねけり籐の椅子
——-
168 いとはずに竹皮を脱ぐ新世界 帆里 0
「新世界」があいまい。
——-
171 うららかや小島ちらばる志摩の海 秋ひろ 2
「うららか」よりも「のどか」でしょうか?
——-
173 峡谷の緑へトロッコ列車行く 凡士 0
もっとすっきり。「峡谷」をとって、
万緑へトロッコ列車突つ込める
——-
185 草笛を吹きて新任教師なり 茂樹 4
若々しい教師。
——-
187 帆船のロープに鴎夏来る ひろし 2
「夏に入る」がいい。