47 雲水の青き頭を涅槃西風 ヨシ 3
雲水は普通「網代笠」をかぶっているので頭は見えない。
尼さまの青きつむりを涅槃西風
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48 走り来る友の笑顔や息白し かずえ 1
俳句にするほどの事柄かどうか?
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49 わらわらと子ら走り来る蕗の薹 斉藤 徹 3
「蕗の薹」では子ども喜ばない。
わらわらと子ら走らせて石鹸玉
47 雲水の青き頭を涅槃西風 ヨシ 3
雲水は普通「網代笠」をかぶっているので頭は見えない。
尼さまの青きつむりを涅槃西風
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48 走り来る友の笑顔や息白し かずえ 1
俳句にするほどの事柄かどうか?
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49 わらわらと子ら走り来る蕗の薹 斉藤 徹 3
「蕗の薹」では子ども喜ばない。
わらわらと子ら走らせて石鹸玉
43 春の土手ぼこぼこぼこと土竜塚 まさよ 1
もうちょっとすっきり。
土竜ゐて土手でこぼこや春の風
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45 くくたちや畑の孤島が出来上がり いきか 1
見立ての俳句、やや強引。
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46 山焼の焦げし大地の香りかな 海風 0
上五「山焼いて」、ちょっと当たり前。
38 盆梅と云へど見上げる丈を持ち 風来 5
最後の「持ち」で句に締まりがなくなりました。
盆梅と云へど見上げるほどの丈
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40 鶏鳴の遠くに雪の落つる音 トンシ 2
上五「鶏鳴や」
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42 老漁師ともに乗せたし春の風 気儘 0
「とも」は漢字にしないと何のことか分からなくなる。
33 わだつみに戻りゆく雨二月尽 くらっ太 0
海に戻ってゆく雨、ここが意味不明。
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35 しがらきの狸に降るや春の塵 和美 2
黄砂や杉花粉に汚れたしがらき焼きの狸。
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36 雪間見ゆホームへ列車来る案内 はるじ 1
焦点が定まらない。
30 ひとごとと思へぬ話春の雪 帆里 1
どんな「話」か、具体的に。具体的に言い切れないようなら、そんな俳句はさっさと捨てる。
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31 鍬を研ぐ音軽やかに水温む 健作 8
「水温む」という季語、ちょっとつきすぎ。季語の斡旋に苦労するというのも俳句の大きな楽しみ。
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32 パソコンにウィルス居座る春の宵 望天 1
下五「朧かな」くらいか。
27 拙速に思うことあり遠桜 丈子 0
「拙速に思うこと」ここを具体的に詠まないと句にならない。
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28 春寒し話止まらぬ理髪客 二石 1
季語?むしろ「あたたかや」くらいか。
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29 白浪に触れで消えゆく春の雪 けん桜 0
「白浪に触れずはかなや」
23 窓際に寄りて暫しの日向ぼこ 杉山駄芭 0
会社での「日向ぼこ」?それが分かるように。
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24 空耳にあらずしっかと初音かな 鋭次 2
「初音あり」の方が力強い。
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26 春の夜の灯火親しむ窓のいろ あけび 0
「灯火親しむ」は秋の大きな季語、それが分かっているのならちょっと乱暴。
19 理不尽の多きこの世や豆を打つ ウサウサ 2
「理不尽の多きこの世」当たり前すぎてつまらない。
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20 どどどどと水が走つて山笑ふ みづほ 4
勢いのある「山笑ふ」
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22 ほろ酔ひの頬へふはりと春の雪 えいこ 3
「ほろ酔ひの頬へふんはり」がいい。「と」の一字が俳句の勢いを鈍らせます。
15 又ひとつ増えた薬や蜆汁 岡田 絮 8
「又ひとつ薬が増えて」がいい。
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16 花咲いてただひたすらに枝垂れけり 秀昭 0
ただごとです。
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17 二月尽一泊二日の一人旅 美登里 0
季語?「春の雲」とか「春の風」とか。
11 一日を制覇しておる時雨かな 李萌 0
「制覇」はちょっと力み過ぎ。
一日を静かに過ごす時雨かな
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12 美空なる雲雀や恋ひし令和きて 瞳人 0
ちょっと悪乗り俳句。
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13 MRIの責苦の音よ冴返る ひろし 0
「責苦」は大げさでは、まあけっして愉快な音ではないのですが。
8 寒戻る気持ち戻らず四股を踏む 孫悟空 1
意味不明。
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9 サボテンの刺はきららの春日影 岩魚 0
「春日影」と「きらら」は矛盾するのでは?
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10 剪定の音や天地に単拍子 無有 3
「単拍子」が聞きなれない言葉、造語でしょうか。
4 風吹くや人参の芽の一斉に 縁矢 1
「一斉に」どうなったのか?舌足らずです。
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5 冬一番頑固おやじの蛇口かな 八郎 1
意味不明です。
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6 父祖住みし屋敷の跡地蕗の薹 惠啓 1
ほとんどただごと。
1 日の入りや海面焦がし溶けゆかん 知爺 1
無季?
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2 江戸川を舟で渡れり西行忌 百合 3
ちょっと古くさい。
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3 たんぽぽや昔本屋のありし場所 ヨシ 9
「昔本屋のありし場所」「昔床屋のありし場所」「昔質屋のありし場所」「昔我が家のありし場所」「昔電気屋ありし場所」いくらでもできるフレーズ、こんな句がトップでは情けない。選句する方も心して。
今回、選句していない人は3人でした。トップは9点。2句。
たんぽぽや昔本屋のありし場所 ヨシ
これはほとんどただごと。「ありし場所」がどうなのか、そこが要です。
耳の傷一つ増やして猫の恋 風子
「猫の恋」と「傷」の取り合わせはうんざりするほどあります。とくに田川飛旅子の句に酷似。
墓番となりて恋猫傷癒す 毛塚静枝
己が傷を舐めて終りぬ猫の恋 清水基吉
傷つきし白猫月が癒すなり 宮坂やよい
猫の耳のぼろぼろなるは恋の傷 田川飛旅子
かくじつに傷ついてゆく二月猫 大西泰世
傷つきし白猫月が癒すなり 宮坂やよい
傷つくとわかつてゐても浮かれ猫 高木喬一
ほかによかったのは
あらたさん えいこさん しんいさん たかしさん ハセオさん みづほさん 岡田 絮さん 宮内和彦さん 健作さん 荒一葉さん 斉藤 徹さん 風来さん 凡人雲さん 茂樹さん
選句結果は上の「選句結果」をクリックしてください。
感想はあとでアップします。間違いなどは「お問合せ」からご連絡ください。
103 梅早し逆光も色鮮やかに 三男 1
語順?
逆光でも色新しや梅の花
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104 冬の駅出でしこぼれる星月夜 松の 1
「星月夜」は秋の大きな季語なので避けたいところ。
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105 寒椿己がいのちを持て余し ふみ 3
「持て余し」が分かりにくいところ、どなたか解説を。
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107 家々に灯の点り染め雪静か いつせ 0
普通なら「点り初め」
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108 紅差して少しふくらむ冬牡丹 宮内和彦 5
ちょっと当たり前。
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110 屋根の雪命狙うかどかどどん 杉山駄芭 2
全部言ってしまった一句。「いひおほせて何かある」は芭蕉の言葉。
三尺や軒積む雪の恐ろしき
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148 無器用に生きて八十路のちゃんちゃんこ 卯月 7
「無器用に生きて八十路」は謙遜よりも自慢に聞こえる。ちょっと嫌な俳句。
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149 黒々と鉄路伸びたり雪の原 北天 2
雪原を俯瞰するような一句。
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150 小豆炊く香に満たされて小正月 柚子 4
やや当たり前。
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152 二股の大根供へらる神事 二石 1
「神事」を具体的に。
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156 眼を閉じて湯槽の中や去年今年 けん桜 0
「湯舟の中や」
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164 一点の黄がさきがけり庭の春 北天 1
「さきがけり」は文法間違い、「さきがけて」
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166 長老となるまで生きて枯芭蕉 苦茶 1
季語、「ちやんちやんこ」くらいがいい。
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167 悴む手駅に転倒注意書 よも 0
上五「悴むや」と強く切るところ。
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168 春めくや少し派手目に試着室 光枝 4
切れを「中七」に移して、
春めくとちよつと派手目や試着室
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169 しみじみと吾が面見入る初鏡 なつ子 1
このままでは起伏がない。
しみじみと皴も大切初鏡
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174 畔草は絡まり合ふて枯れゆける リツコ 0
「絡まり合うて」が正しい、「う音便」、調べてみてください。もしくは「絡まり合ひて」
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177 枝枝は空賑はせて枯木かな ひであき 0
もっとすっきり、
寒晴の空枝枝の賑はへる
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178 雪晴に登校の声高らかに 美登里 1
上五「雪晴や」と強く切る。
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179 冴え返る古刹の廊の黒光り 一喜 0
「古刹」の一語が句を停滞させる。
黒光りしてゐる廊下冴返る
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181 鳥たちの声の零るる冬木立 矢野敬和 0
「声零るるや」がいい。
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186 献立を考へながら日向ぼこ 和美 5
すっきりした一句。
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187 冬座敷一筆書きの達磨居り 信信 2
掛軸でしょうか?
一筆書の達磨をかかげ冬座敷
上五の字余りを恐れない。
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190 青空や大根まばゆき朝の市 森本哲雄 3
「青空や」に効き目なし。
積み上げて大根(だいこ)まばゆし朝の市
99 除雪車の太き唸りや夜の底 つかさ 6
「太き」が工夫でしょうが、やや不発。
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100 終い湯の栓抜く渦や亀の鳴く うつろひ 1
ちょっと面白い。すっきり詠めそう。
終ひ湯の栓抜けば亀鳴きにけり
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101 きゆつきゆつと新雪踏んで登校す たかし 1
やや当たり前。
95 乾杯のグラスの音や外は雪 夏雨 3
ただごとです。
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97 帰り来て何はともあれ雪を掻く 柚子 6
上五「目覚めゐて」がいい。
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98 先生のあだ名はたぬき卒業す たかし 3
類想のありそうな一句。
選句締め切りを過ぎましたが、まだ3人の方が選句していません。選句していない人は以下の方々です。少し待ってみます。
かいこさん 丈子さん 由紀子さん
91 初寄席の木拍子ハッシと響きをり えいりょ 0
やや当たり前。
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92 春遅遅と昼をともして宮居なる マリ子 0
もう少しすっきり。
春深し昼をともしてお内陣
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94 初春の紅茶ライブや昭和の香 英華 0
「紅茶ライブ」があいまい。焦点なし。
88 真夜中に寒鴉啼くビルの街 杉山駄芭 0
ただごとでは?
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89 悴む手転がる錠剤追ひかけり 風子 4
「追ひかけり」は文法間違い。「追ひかけぬ」か「追ひにけり」。
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90 節分の後に七粒まめは口 あけび 0
ちょっと悪乗り。