感想01
2 十薬の美しき十字や墓を守る 波津女 0
「美しき」は「はしき」と読みます。「十字」はやや当たり前、
十薬の花美しき墓守る
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3 ビニールの袋のなかの胡瓜揉む ひふみ 1
おもしろい胡瓜揉み、味わいがあります。
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7 勝負にはさうこだはらず初鰹 宝船 3
いただいた一句。何の勝負かそれが分かると直いいですね。勝負にこだわっても初鰹の感じはあります。
「初鰹」はその年初めて食べる鰹ではなく、その年鎌倉沖で初めて獲れた鰹のこと、昔はそれを早馬などで生きたまま江戸に運びました。「鎌倉を生きて出でけむ初鰹 芭蕉」
初鰹は江戸っ子の季語なのです。
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8 生ぬるき初夏の風吹く棚田かな 磐空 0
語順を変えて、
生ぬるく棚田に吹くや初夏の風
それにしても、「生ぬるき」が心栄えのない措辞。擬音語・擬態語(オノマトペ)をつかって、
さはさはと棚田を吹くや初夏の風
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9 狙ひ撃ちされて楽しや水鉄砲 えいこ 8
高点句でした。ちょっと常識か?