待ちかねし喜雨が集中豪雨とは 渡辺文雄
待ちに待った恵みの雨が「喜雨」、涼しさをもたらすばかりでなく、農作物にとってもかけがえのない雨である。なんでもそうだが、ものにはほどほどという加減が大事、「喜雨」も集中豪雨になっては元も子もない。今年もまた日本の各地で天の底が抜けたような雨が降った。これもまた、地球温暖化によるものか。
句は「待ちかねし喜雨なれども、集中豪雨になってしまった」という逆接の形、末尾の「とは」は、驚きや感動などをあらわす言葉、この句の場合は「とは無慈悲なことよ」くらいの意味であろう。