感想27
111 身をいたはれ心いたはれ菊枕 みづほ 1
「菊枕」がちょっと付きすぎ、「新走」くらいがいい。
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112 寄せ鍋やおたがいがゐる姉妹 ふさこ 1
「寄鍋」と送りをとる習慣を。
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117 秋桜を摘み仏壇を明るうす 藤田 1
「コスモスを生けて仏壇明るくす」がいい。
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119 小鳥来る空にさざなみあるごとく 和美 5
きれいな俳句ですが、余りイメージがわかない。
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122 川霧にすみだ大橋浮いてをり 松の 1
「浮かびけり」でいい。
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125 野地蔵の裾あらふ雨捨子花 素秋 2
「曼珠沙華」でいいのでは?
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128 あそび田の風の饒舌秋ざくら 素秋 6
ちょっと強引な擬人法。
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132 秋耕や島に畑はこの二反 凡士 4
季語が「秋耕」ではだめ。たとえば「鵙鳴くや」とか。
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133 吹かれきて吹かれて消へた秋の蝶 苦茶 1
韻を踏むように詠むと、
吹かれ来て吹かれて消えて秋の蝶
「冬の蝶」がいいかもしれません。
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143 ひと色となり枯れゆきぬすすき原 いくよ 0
「すすき原」の「原」の一字が重い。
ひと色となりて枯れゆくすすきかな
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146 畳屋が畳抱へて萩の庭 タカシ 5
スケッチ風のあじわい。
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156 湯を沸かす音のみひびく夜寒かな しゅう 3
「音のみ」の「のみ」がちょっと苦しい。
湯を沸かす音のひびける夜寒かな
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160 啄木鳥や川床掘って露天風呂 新月 1
「秋風や」くらいでもいい。
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161 秋晴やキャッチボールの音高し 矢野敬和 1
「高く」と連用形に、余韻が生まれます。
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162 木守柿婿取る話の深まりぬ たかし 3
「木守柿」が「家を守る」婿話と響きあっています。
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167 秋夕焼指輪を渡すタイミング 森本哲雄 1
婚約指輪か?
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178 また一年元気をもらふ今年米 中村光枝 2
こころ強い「新米」です。意思願望の句にしたいところ。
一年の元気貰はん今年米
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182 長き夜や病棟の灯の消えざりき 喜遊 0
ちょっと面白い。
病棟の灯をそのままに夜の長し
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187 台風来列島少し後退り 良仙 2
ちょっと面白い。
列島を後退りさせ台風来