感想18
206 春を着て老いも若きも薄化粧 枯露柿
「薄化粧」が突っ込みすぎ。
春を着て老いても若くゐたりけり
春を着て五つは若くゐたりけり
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207 沈丁花匂ふ郵便取りに出て 星峯
季語を生かすのが俳句です。季語を生かすには季語に労働をさせない、季語は単独でぽんと置く、それが大切です。「沈丁花匂ふ」の「匂ふ」が季語に労働させている形です。
沈丁や郵便物を取りに出て
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208 姿見の中にははゐる桜東風 いつせ
「母」と漢字を。
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209 蓬餅出され住宅展示場 琢磨
お茶もほしい。
草餅と茶が出て住宅展示場
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213 流れ雲見る若草に寝ころびて ひろし
ふた昔も前の青春映画のようです。誰もが一度は詠んでみる内容、もうやめましょう。