感想27
136 体より湯気立ち上る油照り 幹子 0
こういう句はむしろ冬の季語がいい。
雪掻や体より湯気立ち上げて
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140 清流の底に転がる青胡桃 トンシ 2
連用形を、間が生まれます。
清流の底を転がり青胡桃
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141 八月は祈る日多しレクイエム 鋭次 1
やや当たり前。
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143 きぬぎぬの刹那に咲くや牽牛花 癒香 1
「きぬぎぬ」「牽牛花」と雅なことば。
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144 髪梳ける窓よりあはし合歓の花 燈穂 0
「窓より」が分かりにくい。
髪を梳く窓に淡々合歓の花
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145 村芝居台詞の多き役となり 健作 0
反対が面白い。
台詞なき役を貰うて村芝居
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148 銀河濃し小瓶に眠る星の砂 光雲 5
「小瓶に眠る星の砂」が静なので、季語は激しいものを、
稲妻や小瓶に眠る星の砂
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152 一弦の調べ漏れくる秋簾 大越恵子 5
綺麗な一句ですが、内容は希薄。
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155 秋澄むやポストに手紙落つる音 百合 6
「秋澄む」がぴったり。
