感想29
234 マニュアルは妻の声のみ障子貼る 郁文 5
「マニュアル」が硬い。
あれこれと妻の指図や障子貼る
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237 残照の沼はさざ波枯芒 みづほ 3
寒々しい残照。
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239 朝寒やゴミ当番の早足に 文夫 0
「ごみ当番は足早に」がいい。
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242 妣と同じ歌歌ってる暮の秋 蓉子 0
「秋深し」がいい。
妣と同じ歌をうたつて秋深し
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246 かつて二人今日はひとりの花野かな 小石日和 0
生き別れなのか死に別れなのか、雰囲気のある一句。
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247 キッパリとケツダンするか秋の空 白霧 0
せめて「ケツダン」は漢字に。
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249 きりもなく対の蜻蛉夕日中 リツコ 1
「中」の一字がとても煩わしい。
きりもなく対の蜻蛉の夕日かな
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263 けふの日付ふつと忘れて草の花 さだ子 3
季語が「日向ぼこ」では付きすぎか?
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265 遠くより目立つ夕日のかりんかな 茂樹 1
ちょっと雰囲気があります。
夕映えに遠くかがよふ榠櫨かな
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266 鳥急襲熟柿無惨の戦禍かな 文夫 0
大仰すぎます。
ことごとく啄ばまれたる熟柿かな
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270 東雲の潮の香りや秋遍路 きこ 3
「潮の香りを」がいい。