感想28
231 回覧板入れて睨まるアロハシャツ 縁矢 0
「睨まれ」でしょうか。
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238 月の雨お地蔵さまも濡れており せつこ 0
助詞「も」は同類が存在することを暗示します。焦点がぼけやすい「も」です。
月の雨お地蔵さまは濡れてをり
月の雨お地蔵さまを濡らしけり
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241 露座仏の長きうっすら秋の影 郁文 0
普通なら「うっすら長き」。
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251 とんぼうの翅の着物を着てみたし 碧女 0
「とんぼう」よりも「蜻蛉(せいれい)」がいい。
蜻蛉の羽の衣を纏ひたし
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260 川風の優しき座敷夏料理 風太郎 0
「優しき」という感情移入が邪魔になっている。
川風は座敷筒抜け夏料理
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262 吊橋の宿へと向かう蝉時雨 松の 3
「向かう」は不要。
吊橋に揺られて宿へ蝉時雨
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263 沸く暑さスクランブルの交差点 政己 1
「暑気」がいい。
暑気沸いてスクランブルの交差点
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265 嬰児の絶えぬ夜泣きの残暑かな 祥風 0
暑苦しい。
あかんぼの夜泣きの絶えぬ残暑かな