感想28
221 富士五湖の水に映りて雲の峰 百合 2
「富士五湖」が何にでも置き換わりそう。
阿寒湖の水に映りて
大阪の水に映りて
大利根の水に映りて
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223 地下から出咲き継ぐごとく開く日傘 風子 1
もっとすっきり。
地下を出て花咲くごとし白日傘
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227 太陽がこぼれて庭の凌霄花 ひろやす 2
いただいた一句。「庭の」は不要、この「庭の」は句をかなりダメにしています。
太陽のかけらがこぼれ凌霄花
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228 威勢良き土用鰻の亭主かな 燈穂 0
「威勢良き」では説明。
火を浴びて土用鰻の亭主かな
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232 熱戦のテレビカメラは簾着て 二石 0
「熱戦の」よりも「甲子園」がいい。
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240 打水の女世帯の男下駄 風子 5
「打水や」と強く切るところ。
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244 海風の吹き抜けてゆく夏座敷 暁 2
やや常識でしょうか。
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246 喧嘩してぷつと吹き出す夏夕べ 碧女 2
季語に工夫を。
喧嘩してぷつと吹き出すさくらんぼ
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253 隠れ宿蛍の闇となりにけり 松の 2
恋の句に、
君とゐて蛍の闇となりにけり
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256 喫茶店小窓にゆるる凌霄花 松の 2
もう少し表現を工夫したいところ。
コーヒーの香の窓にゆれ凌霄花
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259 口癖の母に似てきて釣忍 碧女 5
「似てきし」がいい。
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260 平成や 最後の年の 田植えかな 里村茂 1
最後の年の盆踊り、最後の年の餅搗、なんにでも置き換わります。つまりただごと。