121 一雨のあとは酷暑や鬼貫忌 和美 1
鬼貫忌は陰暦の八月二日、今年の暦では九月二十四日になる。
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122 道に落ち裏返り鳴く秋の蝉 あけび 0
「あおのけ」がいい。
道ばたで仰のけに鳴き秋の蝉
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124 ビル街の静かな正午花カンナ たかし 3
ちょっとうまい俳句。

121 一雨のあとは酷暑や鬼貫忌 和美 1
鬼貫忌は陰暦の八月二日、今年の暦では九月二十四日になる。
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122 道に落ち裏返り鳴く秋の蝉 あけび 0
「あおのけ」がいい。
道ばたで仰のけに鳴き秋の蝉
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124 ビル街の静かな正午花カンナ たかし 3
ちょっとうまい俳句。
115 蜩に自ず湧き来る旅心 鈴木清 1
どんな季語を据えてもそれらしくなる。つまりただごと。
鰯雲自ず湧き来る旅心
新涼や自ず湧き来る旅心
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117 涼しさや酒蔵カフェの太き梁 荒一葉 6
好調な荒さん、しっかりした一句。
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118 体液が沸騰したか顔の汗 梗舟 0
季語を少し離すことでいくらかは救われます。
体液が沸騰したか田草取
108 名湯にゆるりと浸かる虫の声 右鉛 0
「ゆるりと浸かり」と連用形に、「間」が生まれます。
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111 秋ひでり畑へ向かう獣臭 笑美 0
もっと分かるように、
秋ひでり畑に残る獣臭
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113 鈴虫の道の駅にて売られおり ハセオ 0
ただの報告。
104 独り言おしろい花と妻の口 あけび 0
意味不明。
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105 冥土への旅は紫紺の茄子の馬 トンシ 1
「冥土」と「茄子の馬」、これが付きすぎ。
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107 束の間を田端の崖の葛の花 しんい 0
意味不明、しんいさんとしてはめずらしい。
99 ひとひらの紅葉を肩に父帰宅 豊司 1
俳句は人物を特定しなくてもいい場合が多い。
ひとひらの紅葉を肩に帰宅かな
誰?は読む側の想像にまかせる。
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101 新涼のひかりを撥ぬる水車かな ひろし 5
「撥ぬる」よりも、
新涼の光を返す水車かな
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102 秘境駅降りる人なく秋の風 杉山駄芭 1
降りたほうがまだいい。
秋風や秘境の駅に降り立ちて
93 空蝉や八十路の妻の食細く ひろ志 0
生活感のある季語を、
風鈴や八十路の妻の食細く
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97 一滴の水の潤ひ広島忌 矢野敬和 6
6点も入っていますが、「水」と「広島忌」、これが理屈です。
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98 立秋や昨日と違う三十度 杉山駄芭 2
これも理屈。
88 草の実のくつ付きくつ付け犬走る まさよ 0
「くつ付きくつ付け」がちょっとしつこい。
草の実をくつ付け走りまわる犬
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91 問いかけど何も答へずサングラス 立野音思 1
字余りでもいいから上五は「問いかけても」。俳句はちょっと後ろ向き。
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92 母役はいつも妹赤まんま 岡田 絮 5
ままごと俳句はややマンネリ。
82 和紙のよな水面綾なる瀬戸や月 大越恵子 0
ごちゃごちゃ。
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84 朝顔を数へて眠る夜勤明け 岡田 絮 13
最高点でしたがよく分からない一句。どなたか解説を。
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86 オオタニの場外アーチ冷索麺 矢野敬和 0
付き過ぎでもいいから、
大谷の場外アーチ天高し
79 杉皮の屋根に石置く木曽の秋 みづほ 4
雰囲気のある一句。
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80 日が沈む稲穂の波が果てる海 しげ木し 2
「稲穂の波」が陳腐。
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81 野球場夏の暑さ抱へ込み 立野音思 0
ちょっと当たり前。
74 胃カメラをぐっと飲みこみ蝉時雨 八郎 2
「蝉時雨」がちぐはぐ。こういう句は季語の置き方が難しい。忌日がいいのかもしれない。
胃カメラをぐつと飲みこみ広島忌
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75 濡れ縁の残る暑さに腰かける しげ木し 4
「腰かける」がただの報告。
濡れ縁に残る暑さが寝そべれる
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78 タンバリン貸し出しますと海の家 山水 4
「タンバリン」ではつまらない。
わが亭主貸し出しますと海の家
63 色一つたらぬクレヨン夏の果 たかし 9
谷川雁の詩「大地の商人」の冒頭が浮びます。「おれは大地の商人になろう/きのこを売ろう/あくまでにがい茶を/色のひとつ足らぬ虹を」
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64 ポストまで老いの冒険残暑かな ようすけ 2
「冒険」がむしろ邪魔。
ポストまで歩める老いの残暑かな
でけっこう面白い。
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68 秋めくや東京の空まさをなる 八幡大蛇 0
69 カレー屋に八つの薬味秋めけり ふみと 1
二句とも「秋めく」感じがない。
55 敗戦忌楷書美しき兄の文 輝久 4
付きすぎのようですが、季語が「敗戦忌」でないと成り立たない。
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58 松茸を目で食べ味合う暮らしかな 三太 0
理屈の俳句。
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61 満月を眺めて家族もめてをり 帆里 3
なぜもめているのか?舌足らずな一句、しかも後ろ向きな俳句。
51 爺と指す縁台将棋夏休み 惠啓 1
よくあるパターン。
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52 秋の潮沖を見守る遭難碑 ヨシ 0
ヨシさんの句としては平凡。
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53 手のひらを花と浮かべて風の盆 和美 0
これもよくあるパターン。
てのひらを裏へ表へ風の盆 ひふみ
てのひらで風を掬ひて風の盆 しんい
48 駅降りて新たな夏の眩しさよ 米山誠 1
「新たな夏」があいまい。
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49 積み上げし物捨てられず茶立虫 せつこ 0
生活感のある季語を、
捨てられぬものあれこれと盆用意
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50 芋虫の太さに見合う悲鳴かな 小林土璃 3
芋虫を見て悲鳴を上げたということか、このままでは分かりにくい。
44 夕立や浮世絵めいて渡月橋 二石 2
浮世絵は江戸のイメージ、広重ならばなおのこと。
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46 赤ポルシェ冷房臭きレンタカー 祥風 0
ただの報告、後ろ向きの一句、俳句は前向きで。
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47 秋の夜のシャンソンにふとしづ子の句 黄菜子 1
漠然としてとらえどころがない。
39 一瞬の風に一息秋暑し わさこ 2
理屈の俳句。
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40 缶けりの缶へちやげをり赤とんぼ ひろ志 4
童謡のような一句、整い過ぎか。
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41 帯締めをこっそり緩めビヤホール 新月 3
これも理屈の俳句、因果関係で詠まないことが大切。
36 敗戦忌湯気立つ飯の白さかな 荒一葉 7
面白い。「湯気立つ飯の白さかな」は「ひもじさ」のパラドックスである。
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37 松茸の代打エリンギ猛打賞 紫耀子 1
「猛打賞」、は悪乗り、句は理屈。
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38 秋ともし下巻をさがす左の手 秀昭 1
「左の手」、これがトリビアリズム。
33 肩書と無縁になりぬ落つる露 小林土璃 0
季語がよくない、生活感のある季語を、
肩書と無縁になりて秋刀魚焼く
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34 激辛のカレー欲する暑さかな あらた 1
よくあるパターン。
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35 秋空を吸い込んでみて一人旅 野夫 2
「秋空を吸い込んで」はやや乱暴、
秋空に深呼吸して一人旅
29 車五千呑み込み巨船処暑の航 凡士 2
ごちゃごちゃ。それでも2点も入っている。
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31 母居らぬ小庭よ紺の朝顔よ しんい 0
亡くなったということか?ちょっとわかりにくい。
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32 ダイソンのごと三門の涼しかる 二石 0
「ダイソン」が分からない?
24 友逝きて骨拾いあう油照 かずえ 1
ただの報告。
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27 君見上げ月の所為にして遠回り 紫耀子 0
意味不明。
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28 お磨きの母極楽の余り風 朝竹 0
普通に詠むことも大切。
お磨きの母に涼しき風が吹く