感想26
128 入念に白髪を染めて卒業式 森本哲雄 1
先生の白髪?ややあいまい。「ねんごろに白髪を染めて」
——-
132 境内の笑ふ羅漢に蝶遊ぶ 蓮利利斗 2
離せば間が生まれます。
境内の羅漢笑ふや蝶の昼
——-
144 猫言葉わかる気のするおぼろ月 風子 6
「気のする」が句を甘くしています。
おぼろ月猫の言葉にうなづきて
——-
147 捨てし句に少し未練や山笑う 鋭次 4
もっといい季語が見つかりそうです。
——-
149 ぶらんこに決まっているよ子の家出 柚子 2
ちょっと面白い。
家出してぶらんここいでゐる子かな
——-
152 空き缶に蝌蚪三匹の忘れ物 ヨシ 3
「忘れ物」で句があいまいになりました。
空缶三匹におたまじやくしかな
——-
153 夜桜や日本酒一献傾けて しゅう 0
どんな季語に置き換えてもついてしまう。つまりただごと。
——-
178 振り返り又ふりかへる流し雛 しんい 5
少しだけ工夫して、
振り返り又ふりかへり雛流る
——-
191 春眠のごとくに義父は逝きたまふ 火星 2
いただいた一句。「義父」を取る工夫。
春眠のごとくに息をひきとれる
——-
194 コロナ禍やアルバム薄き卒業式 八郎 1
理屈です。
——-
200 食卓を彩る春のサラダかな 矢野敬和 0
「食卓」ではあまりにも工夫がない。俳句を作ってやろうという意気込みを。
寂しさを彩る春のサラダかな
——-
208 薫風や幹に凭れて鳶の空 佐々木冬子 0
「鳶の空を見る」としなければならないところ。それでは字が余るというなら、何かを捨てなければなりません。
薫風や幹に凭れて鳶を見る
——-
214 花ぐもり川にたゆたふ海の波 与志魚 1
雰囲気があります。